メッセージ

アイヌ民族との出会い


 ディヴァン・スクルマン(北海教区宣教師)

 私がアイヌ民族の方々に初めて会ったのは、2001年7月の夏休みの機関実習の時で、まだ神学生でした。台湾基督長老教会(PCT)と日本キリスト教団(UCCJ)が北海道で催した「宣教協議会」に参加する機会を得たのです。その時、教団は特別にアイヌ民族の音楽家OKIさんを招いたので、アイヌ民族の美しい伝統音楽を分かち合うことができました。OKIさんと台湾の原住民族の牧師たちがささやかな音楽交流をしたことが、その時参加した私の脳裏に深い印象として残っています。言葉は違うけれど、音楽による交流ができたので、私たちの距離はとても近くなったと感じました。協議会の後、OKIさんと話す機会があって、彼はよく台湾原住民族の歌手と交流していていることを知りました。台湾原住民族の音楽表現に触れると、自分もアイヌ民族の音楽を創作していこうという気持ちが湧いてきて、激励されているようだと話していました。今、OKIさんはアイヌ民族の音楽家として大変な成功を収めています。

 

 さて、私が正式に北海教区の任宣教師として赴任したのは2005年9月1日で、その後更にアイヌ民族を知る多くの機会に恵まれました。私が最初に出会ったアイヌ民族の団体は帯広のとかちエテケカパの会です。元気で活発な子供たちが毎週木曜日の夜、帯広生活館内で勉強したり、自分たちの文化を学んでいます。私自身も原住民なので、とかちエテケカパの子供たちとふれ合い、いっしょに彼らの伝統文化を学べることは、大きな喜びです。

 

 最近、新しい友達が一人できました。彼女は酒井美直さんと言います。彼女の話しから、とかちエテケカパの会出身であることがわかりました。酒井美直さんは、以前友達に自分がアイヌ民族であることを知られたくなかったそうです。ところが、その後とかちエテケカパの会の関係でカナダへ行き、先住民族と交流する機会があり、やっとアイヌ民族としてのアイデンティティを取り戻そうという気持ちが湧いてきたと言っていました。今、彼女は東京でアイヌ民族の若者達と共にアイヌ民族の文化を継承していこうと努力しています。

 

 私は日本に来て3年になりますが、アイヌ民族に対して深い認識と理解があるとは言えず、引き続き彼らと一緒に学んでいます。アイヌ民族の様々な活動に参加して、最初気づいたことは若者がとても少なかったことです。でも最近は、勇敢にも自分がアイヌ民族であることを認め、隠そうとしない若者も現れました。私達は彼らの努力に最大の拍手をおくり、惜しみない支援をしていくべきだと思います。日本政府はアイヌを「先住民族」と認定しましたが、アイヌ民族の方々はそれに満足するのではなく、むしろこれからが奮闘の始まりだと思います。

 

 私たちは苦難に出会うと、教会で「お祈りすればきっとよくなる!」とよく言います。すべてを神に任せたら、自分は何もしなくても大丈夫とでもいうのでしょうか。実は祈りと行動は一体なのです。祈りの後に必ず行動がついてこなくてはなりません。この行動とは次のようなことを含みます。

 

1)お金を出します:寄付をすることによって、もっとその仕事の発展に関心を深め、参与することができます。

 

2)力を尽くします:互いに協力してようやく仕事を成功に導くことができます。

 

3)声を出します:本当に神を愛して、人々を愛しているクリスチャンならば、必ず真理と正義のために勇敢に声を出します。

 

 ですから、親愛なる友達、隣人(アイヌ民族)が助けを必要とする時、祈りの後に、私たちは実際的な行動で−−お金を出して、力を尽くしてまた声を出して、協力できるようになりたいと思います。そして、アイヌ民族とパートナー関係を築き、苦しみを分担し、喜びを共有したいと願っています。