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メッセージ

杉岡ひとみさん

千歳栄光教会 杉岡ひとみ



「もっと出会いたい」


 子ども時代を北海道で過ごした私にとって、アイヌ語の地名や時々目にするアイヌ文様のはいった布地や木彫りは特別に驚くものではなく、“そういうもの”と思っていました。が、そんな日常があるにも関わらず、恥ずかしいことですが少なくとも自分のまわりにはアイヌ民族の方々はおられないと思ってきました。単に出会いの機会がなかったからということもひょっとしたらいえるかもしれません。けれど、積極的にアイヌ民族の方々を知ろう、出会おうとしていない自分がいました。

 しかしそんな自分のあり方に対して“これでよかったのだろうか”と思わされるようなできごとがありました。それは大人になってから本州に住むようになり、ある研修の場でアイヌ民族委員会のメンバーと出会った時のことです。その委員の方々には北海道への懐かしさから積極的に話をしに行き、私が北海道に住んでいたこと、でも自分の住んでいたところではアイヌ民族の方にお会いしたことはないということをお話しました。しかし私の言葉を聞いた委員のお一人は、アイヌ民族の方々が一番たくさん住んでいるのは私が昔住んでいた札幌であったことを教えてくださいました。自分のまわりにはアイヌ民族はいない・・・本当にそう言えるのだろうか。自分が関心を示さなければ出会っていてもアイヌ民族の方々は自分を語ろうとはしてくださらないのではないか。自分を恥ずかしく思いました。

 思い返してみると、これまでにも北海道に住んでいながらアイヌ民族の歴史や文化に関心をしめしていない自分がいました。例えば子どもの頃、学校の遠足で行った野幌森林公園の100年記念塔(開拓100年を記念して建てられたもの)では開拓使の苦労によって今この地があることを聞き、単純にすごいなぁと思っていました。開拓する人々の側に立つ教えについて私自身は何の疑問もいだいてこなかったのです。でも、開拓地であるこの北海道はアイヌ民族が大切に守ってきた土地です。知らなかった、気づかなかった、ということで私はそばにいたかもしれないアイヌ民族の方と出会おうとせず、また持っている文化の豊かさなどに気づいてこなかったことを思います。

 そして今、再び北海道に戻ってきました。もっと積極的にアイヌ民族の方々に出会っていけたらと願いつつ、なかなか機会を見出せないと感じることもあります。そんな私にとって昨年の元浦河でのフィールドワークは絶好の出会いのチャンスでした。遠山サキさんのお話をうかがい、食事の時には歌もお聞きすることができました。まず一歩踏み出せた!でももっと出会えたら!!今、そう感じています。今年のフィールドワークは白老とのこと。新たな出会いを心待ちにしています。






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